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伊勢三郎義盛百首解説 その4 放火編

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本日も忍術の心得が詰まっている「伊勢三郎義盛百首」という歌集の中にある歌について、いくつか解説をしたいと思います。

今回は伊勢三郎義盛忍び歌百首の中から「放火」に関する3首について説明します。

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敵の城 敵の陣所に 火をつけば 味方に時の やくそくをせよ

火事火事

現代語訳:敵の城や、敵の陣に火をつけるのなら、味方には火を放つ時間の約束をせよ

解説:敵の陣地に火を放つまたは、破壊工作を行う場合には、あらかじめ味方に対し、作戦発動の時間を知らせておく必要があります。

戦国時代には持ち運び可能で精密に時を刻むツールという物はありませんでした。よって当時の人間は様々な方法で時間の約束をしていました。日中であれば日時計が使えたりしますが夜は線香程度しか正確な時間の経過を示すものはありません。

猫目時計というものが記述に出てくることがあり、猫の瞳孔の開き方で時間がわかるというものですが、正確には猫の瞳孔は時間ではなく、明るさと暗さで瞳孔の開きを調整しているだけです。夜でも明るければ瞳孔は狭まり、昼でもくらいところに閉じ込めれば瞳孔は開きます。

現代は時計という便利な道具があります。正確な時間を刻む電波時計を装備し、秒針までを仲間内で合わせておきながら、遂行の時間を示し合せましょう。

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城や陣に 火付け入れんと おもひなば 味方近付く 時をまつべし

火事火事

現代語訳:敵の城や陣地に、火をつけようと思うのなら、味方が近づく時を待つことだ。

解説:敵の陣地に放火や破壊工作を行う場合、味方が作戦行動をとれる体制が整うまで待ちましょう。放火、破壊工作による攪乱行為は、戦闘部隊との協調により効果を高めることができます。

そこで戦闘部隊の突入などを示し合わせ、燃焼物や、危険物保管庫、爆薬貯蔵庫に対し、潜入者が破壊工作を行い敵陣地内をかく乱することにより、高度に要塞化された建造物を陥落させることが容易になります。

元亀天正の頃の日本では家屋は木造がほとんどであり、防火機能をもった家屋は土蔵など一部ものだけでした。現在の陣地は不燃構造が基本ですので藁屋根に火矢で火をつけるということはできません。よって狙うところは燃料の貯蔵庫や弾薬保管庫に侵入し、火をつけることが望ましいです。

これによって陣地内が浮足立った習慣に、外部から戦闘部隊が突入するという方法をとれば、伊賀衆にかかれば小規模な陣地ならば攻略は時間の問題です。

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城や陣に 火をつけぬべき 時はただ あかつきがたの 風を待ち得て

火事火事

現代語訳:敵の城や陣に、火をつけるべきではない時はただ、日の出の時に起こる風を待つためである。

解説:放火した火を効率よく延焼させるには適度な風が吹いている状況が有利です。真夜中には空気の流れが止まっている場合は、夜間に止まっていた空気の流れが変化して、風が発生する暁時こそ放火の成果が大きくなるタイミングです。

この歌では風が発生する時刻を暁時としていますが、これは暁に限ったことではありません。天の時、つまりは気象庁やその地方の気象情報サイトから的確な気象情報を入手し、それに基づき作戦行動を起こせば問題ありません。天気図の推移をみれば何月何日何時ごろにどこからの風向きが発生するということを予測することは容易です。

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火をつけて 味方ちかづく ものならば ときをつくりて 声を合はせよ

山火事山火事

現代語訳:敵陣に火をつけて、味方が近づくようなものならば、時間をつくって、声をあわせるようにせよ。

敵の陣地に放火した際、戦闘部隊はその混乱に乗じ、敵陣地に突入します。その際には、合言葉などを言い合わせておき、作戦遂行の内容、タイミングを合わせましょう。現代は、無線や通信機器がありますのでそれを有効に駆使し、連携を取り合うことが必要です。

また味方の位置がわかるよう、オンラインで情報の共有化を図ることも重要です。但し電波での通信は、敵に傍受される可能性があるため通信傍受には注意が必要です。

第2次世界大戦では日本軍は暗号をアメリカ軍に解読され、それにより作戦内容が筒抜けになりました。最新の技術を使用する事は忍術の基本ですが、盗聴や暗号傍受による情報漏えいを考慮した場合、原始的な合図による情報伝達は利用価値があるかもしれません。

ただしこれはあくまでも通信の傍受、電波の発生源を特定されることを防ぐための消極的対策であって、原始的な合図を推奨しているわけではありません。

まとめ

戦火戦火

本日は、伊勢三郎義盛百首の中から、放火について解説を行いました。放火、火術は、砲術と並ぶ伊賀の忍びの得意技でもありました。伊賀の忍びは、その時代にもてる技術の粋を尽くして、火薬の調合、有効な延焼の方法などを研究し実践していました。

現代においては、現代の持てる技術の粋を使い、爆薬や可燃物を用い後方攪乱を行うことが求められています。

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