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伊勢三郎義盛百首解説 その9 疲労編

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本日も忍術の心得が詰まっている「伊勢三郎義盛百首」という歌集の中にある歌について、いくつか解説をしたいと思います。

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今回は伊勢三郎義盛忍び歌百首の中から「疲労」に関する3首について説明します。

長途(ながみち)は 大勢つれて めつけせよ かはりかはりに やすまんがため

疲れた男性疲れた男性

現代語訳:長い道のりを通って忍びに行く際には、大勢の仲間をつれて、敵地の下見をせよ。かわりがわりに、下見をし休めるようにするためである。

解説:長い道のりを通り偵察、斥候を行う際には、一般的には、車を利用するか、民間人に紛れ公共交通機関を利用するか、公共交通機関がない場所では、不自然にならないような交通手段にて敵地まで接近する必要があります。交通事情が悪いところ、経済状況が悪いところで斥候を行うには、軍用車両では目立つため、トラック、馬、馬車などの利用も考えられます。

長距離の移動では姿を人目にさらすことが多くなりますので「七方出」という変装技術を用いて、現地人に変装しましょう。姿かたちを変えること、言語方言をつかいわけ、それを使いこなせることも、忍びの一般技術の必須要件です。

そのようにしても、長時間の移動には緊張が強いられ、疲労が蓄積するため、何人かの交代要員とともに潜入することが望ましいです。例えば3班で24時間を3交代、または2班で2交代に出来るように人員を配置し、疲労が蓄積し見落としが出てしまわず、監視のもれ時間が発生しないようにシフトを考えましょう。

3人で移動すれば、車で移動する際にも運転を交代で行えるため、運転をしないメンバーは仮眠をとることができます。3人で行動すれば、一人を警戒、一人を作戦立案と連絡、一人を休息に充てることができ、24時間の隙が無くなります。

窃盗(しのび)にも 夜詰(よづめ)・番衆も くたびれば ふかくをとらん 始めなりけり

食事をする兵士食事をする兵士

現代語訳:忍びに行ったり、夜の見守りをするときも、くたびれてしまえば、不覚を取ることの始まりとなる。

解説:疲労が蓄積すると不覚を取る確率が高まります。疲労が蓄積しないよう、適度な休息がとれ、無理のないシフトを組んだ作戦行動計画を策定しましょう。3人で8時間づつのシフトを組めば比較的無理のないスケジュールを組むことができます。

精神力があれば何でもできるという根性論をいう方はいますが、現実的に人間は疲労が蓄積したり、睡眠が不足すると注意力が散漫になり、失敗が多くなることが実験で証明されています。斥候や情報収集をする際には無理のない人員計画を練る必要があります。

また疲労が蓄積しないよう、睡眠導入剤、または栄養補助食品、ビタミン剤、食塩等、当分補充のための食品、カフェインのサプリメントを活用することも有効です。戦闘糧食はこれらを考慮にいれて内容が組まれているためこれを採用することも一つの方法です。

つかれより ゆだんおこれる 物なれば かはりかはりに 夜詰ばん(番)せよ

ベンチで休む男性ベンチで休む男性

現代語訳:疲れにより、油断をおこしてしまうものなので、かわりがわりに、夜の敵から守る見張りをせよ。

解説:人間は長時間の勤務や睡眠不足により疲労が蓄積します。気合で乗り切ることは非常に難しいです。これを前提に歩哨や警戒に当たる人員のシフトは無理のないものが望まれます。

上述のように、多くならない範囲でシフト制を導入し、2名×3班3交代等のシフトを組んで、交代を行いながら警備を行いましょう。監視カメラ、盗聴器、ドローン、高圧電線などを使えば、監視区域を限定し、効率的な監視体制を構築することも可能です。

交代要員を確保し、時間的な隙を作らないように気を付けましょう。食事休憩をしている間は他の者が交代をする、シフトを6時間づつとし、4交代とするなどいろいろな方法があります。潜水艦や戦闘艦艇などで勤務するスタッフはこのようなシフトがよく研究されています。

 

まとめ

疲れた男性疲れた男性

本日は、「伊勢三郎義盛百首」から「疲労」に関する歌を抜粋し解説しました。

過去の伊賀の忍びは、疲労について、精神論で打開するという考え方ではなく、疲労は存在し、それを認識して対策を講じることを明文化しています。忍びは「旺盛な気力と精神力」の限界を500年前に正面から現実として認識していたということです。

疲労は避けられないものですが、具体的には適切なシフトを組むこと、娯楽を取り入れること、サプリメントの摂取などにより多少の緩和が可能です。

500年前でもさまざまな方法を駆使して油断と疲労を回避してきた忍術使い。それがいつの日には「気合と根性」というレベルの低いものに置き換わった歴史を持つ日本です。忍術は耐え忍ぶことであるということをいう方もいます。忍術は物陰にしのぶ術でありますが、耐える術ではないことは確かです。

疲労と油断については、現代にある最新の技術、資源を最大限活用し回避する、これが忍術の心意気です。

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