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忍びの仕事 ~流言卑語を放ち民心を動揺させる~

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忍びの仕事は情報を収集、つまりかき集めるだけではありません。情報を集める技術は、反対に情報を拡散させることにも応用することができます。

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本日は忍びの仕事のうち、情報操作、情報攪乱について解説します。

情報攪乱の目的

忍びが行う情報攪乱の目的は以下の通りです。

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治安を乱し市井の人を不安に陥れる

テロや暴動、市街地での銃撃、店舗への襲撃などを行うことにより治安を乱し、住民の不安を煽ることです。住民が治安に不安を感じると猜疑心が強くなったり、経済活動が滞ったりします。これらを行う必要がある場合、忍びが市中に逐次投入され、市民に紛れて活動を行うことになります。

政権の権威を失墜させる

治安の悪化、流言卑語をまき散らすことにより、権威者や政権の失墜させます。正確な情報、偽情報と内容は問わず、政権の威信を損なう噂を触れ回り、政権に対する権威性を失わせます。

攪乱させ、裏の首謀者をあぶり出す

有ることないことの噂を流し、それが対象に伝わると、対象は時として対策を講じようとします。対策が行われればその対策の指揮命令者を特定することが可能になります。このようにして何らかの行為を行うものの首謀者をあぶり出すためにも忍びは使われることがあります。

敵の心を休まらせず疲労を蓄積させる

敵陣地に敵の味方として潜入している忍びが、「明日敵陣から敵が一斉攻撃をかけてくるかもしれない」「夜襲が来るかもしれない」「味方の中にも敵がどれだけ潜んでいるか分かったものではない」など敵方の一般兵士を不安に陥らせる情報を適宜流すことにより敵方の心を休まらせず疲労を蓄積させることが可能です。

偽情報をまき散らし判断を誤らせる

敵市中や敵陣地に紛れ込んだ忍びにより、偽情報、偽の兵力の構成、偽の予備兵力や国力の背景、偽の政権への支持率等をまき散らすことにより、敵の判断を誤らせることができます。

偽情報や本物の情報を織り交ぜ疑心暗鬼に陥らせる

上述の内容と類似していますが、偽情報ばかり流していれば、情報発信の信頼性は失われます。中には適度に真実を織り交ぜることにより信憑性を保持し、偽情報の信頼性を維持します。

敵同士の不信を誘い、団結心を崩させる

敵の中に相当数の造反者が含まれているという偽情報を流すことにより、敵同士の団結心を崩し、士気の低下、命令系統、統率力の低下、兵士同士の協調性を乱すことができます。

盲信、迷言を流布し、敵を浮足立たせる

敵方の士卒が近代的教育を受けておらず、教養の程度が低い場合有効です。祟り、迷信、宗教的制約、科学的根拠のない噂などを流布し、不安を煽ることにより敵陣の士卒を落ち着かなくさせます。これを長期的に行えば、疲労と消耗により判断力が低下し、有利な状況を作ることができます。

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偽情報をまき散らす方法

偽情報をまき散らす方法は以下の通りです。

市中での活動

偽情報をまき散らす方法としては、まずは、市中に紛れ込み、ビジネスマン、商人や一般大衆として噂話を流すという方法、ラジオやテレビ、新聞や雑誌、社説、インターネット等メディアを使い、政権に批判的な情報を流す方法などがあります。

陣地内での活動

敵方の陣地に敵方の兵士や使用人として潜り込み、そこで偽の情報を提供したり、偽情報を通信に混ぜ込んだり、敵方兵卒の中で敵方の兵卒が信用しそうな情報を流すという方法があります。信頼を得るためには、敵方に信用されなければならないため、時間のかかる戦術ではあります。

情報かく乱の実例

情報操作、情報攪乱の実例について解説します。

明石元二郎による情報工作

情報攪乱や情報工作を行った実例としては明石元二郎が有名です。明石はロシアとその勢力下において、反ロシア活動を支援したり、反ロシア政府活動家と接触し、ロシアを内部から動揺させました。ロシアはその対応と鎮圧のために兵力を一定数配置せざるを得なくなり、極東へ兵力を配置しづらい状況を作り上げました。

また日露戦争中では、ロシア国内の民意を扇動し、政情不安を煽り、ロシアが日露戦争の前線に集中できないように活動を行ってます。

便衣兵の活躍

民間人の服を纏った兵士のことです。特に日本では「中国戦線」にて民間人の服装をした中国軍の兵士として使われる言葉です。便衣兵について当時日本軍は真相の把握に努めてたようですが、それが国民政府軍のものか、八路軍、新四軍のものか、その他青幫や秘密結社のような民間の任侠団体によるものかを正確に把握することに苦労していたようです。

これにより、日本軍は敵方が兵士であるか民間人であるかを区別できなくなり、遊撃戦、夜襲、不意打ちなどを受けることになります。正規の成果として報告されなくても、これにより日本軍を疲弊させたことにより一定の成果を上げたと考えられます。

忍びと情報攪乱のまとめ

今回は敵方の上場収集を行うための忍術ではなく、流言卑語、情報攪乱をまき散らすことにより、「情報」を主体的にまき散らすことよる目的や実例を解説しました。

忍術は、情報収集だけではなく、流言卑語を放ち、敵方の軍事作戦を抑制したり、誤った判断を誘うためにも使用できます。

伊賀の心意気をもった忍術は、黒染めの道着を着て、地下足袋を履きながら、畳の上で体術を練ったり、里山でのサバイバルを行うものではありません。本物の忍術とは、情報収集と情報攪乱を行うための技術体系です。

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