先日は、本物の伊賀忍術の精神を会得する具体的方法について解説しました。
について解説しました。これの具体的な方法で、伊賀の忍術の精神を会得できたかどうかの尺度を解説します。まだ伊賀忍術の精神を会得できていないと思われる忍術修行者の方、忍者をやっておられる方、指標にして頂ければとおもいます。
目次
伊賀の忍術の精神を会得できたかどうかの尺度
日本の風景それでは伊賀の忍術に必要な精神を会得で来たかどうかの具体的尺度について、以下に解説してきます。
人の悪口しか言わなくなる
人の悪口と陰口しか言わなくなるというのが、忍術を心得る第一歩です。何かに寄合いで集まった後、先に帰った人が現れた途端、自分から言い始めるわけではなく、その人の話を切り出し、悪口を吹き込んだりできれば、まずまず忍術の道に片足を突っ込み始めたところと言えます。
妬みの根性
ひがみの根性です。僻み、妬みの心が忍術を司る根幹です。人を賞賛したり、心から褒め称える心持っていては仕事は務まりません。罪を憎まず人をひがんでこそ、
「親子兄弟戦い合い、親の仇、子の仇、眷族縁家の宿意を遂げて本懐を達せんと欲する条、一睡の間も安堵の思いに任せず」
という生来の姿に成れると思います。
溜池に子猫が浮かんでいても何も感じない
時々、溜池に目も開かない子猫の死体が浮かんでいることがあります。それを見つけて「どうして浮かんでるのかな？」とか「可哀そうだなー」とか思いがよぎるようでは、当地の精神を会得しているとは言えません。ただ当たり前の景色が浮かんで去っていくだけ、とならなければ失格です。
猫のことを例に出していますが、国道沿いに狸が死んでいても誰も「わー」と思いせん。スルーです。なぜならただの毛皮になった動物の死骸だから。
救急車の音が聞こえたら、食事を中断してでも耳を澄ませる
救急車の聞こえたら、たとえ食事の最中でも、食事を中断し、耳を澄ませ、救急車がどの方角から来て、どの在所のどの方向に進み、どの家の前で止まったかを推測するのが常道です。そしてその家屋の住人のだれが救急車に乗ったのかを想像します。
電話を問い合わせることもあります。
「さっき救急車どこやらのほうへくだっていたけど、どこへいてんやら」という会話が交わされます。そしてさっと庭の前に出て行って赤いランプの行方を探ったりします。世の人は自宅からどのくらいの距離にどこのザイショがあるのかを把握しており、救急車の往復時間でどこのザイショに救急車が止まったかをおおよそ把握します。
何曜日はどこの病院に救急搬送されるかを在所の人間はすべて把握しているので、どこに搬送されるかは人に聞く必要はありません。もし当日、不幸にもその情報を得ることができない場合、次の日、魚屋に問い合わせて、「げなげな話」で情報を収集します。
葬式に肉
葬式では、組の人に穴を掘ってもらいますので、苦労をねぎらうため、組の人には肉を振る舞います。一般的にはすき焼きが多いようです。
お返しに肉
世話になった方へのお返しは肉です。肉と言えば牛肉であり、「にく」には豚肉と鶏肉は含まれないのが当たり前の常識です。
もしそこらのスーパーの牛肉でお返しをした場合、１００年感心し続けられますのでご承知願います。感心されずに受け取ってもらえる肉を取り扱っている肉屋は上野町内に数件、名張町内に一件あります。
草むらに蝙蝠傘と杖が突き刺さっていても不思議に感じない
伊賀では時々、草むらに古いこうもり傘と老人の杖が突き刺さっています。「なんでかな？」と思う様では、全くお話になりません。
日野菜を家で漬ける
伊賀では、お盆が過ぎると秋が始まり、上野祭りが終わると冬です。初冬の味覚と言えば、日野菜漬です。伊賀の忍術を志す人に食べたことがない方はいないでしょう。日野菜は家で作って家で漬けるのが一般的です。
げなげな話
当地に住むに人間たちは、現在も「げなげな話」で情報を収集します。但し、「げなげな話はうそやげな」という言葉にあるように、あまり信憑性が高くない情報が多いため、げなげな話を多方面から収集、分析し、情報の共通性を認識していくことにより、情報の正確性を高めるという方法を取るのが一般的です。
またげなげな話では、こちらが本当に聞きたい情報を直接話に出さず、間接的な話を持ち出しつつ相手から不自然ではない形で話題を引き出すという方法を取ります。
これを直接的に活用するだけで、情報は簡単に整理できます。
ただし「げなげな話」は基本的には嘘です。
結論
日本の風景忍術は人を人の皮を被った鬼足らしめる技です。
もし伊賀の心意気を体得し本当の伊賀の者になりたければその道を！
もし室町末期の伊賀忍びの本当の技術的思考法で忍術を技術的に追い求めるのであれば当代最先端の間諜と防諜技術を！
